困ったときは
着物を着ている時に、こんなトラブルにであったら、どうしましょう。
ここでは、まずは、対処の仕方をお勉強していきます。
なんといっても、慣れ、が一番のようなのですが、まずは知ることですね。
<半衿が乱れてしまったら>
半衿は顔に近い部分なので、左右の出方が違うととても目立ちます。
衿元が乱れてしまったときには、それぞれバランスをみながら、
身八つ口から手を入れて、襦袢の衿を持って引きます。
胸ひもで押さえた下から引くとよいでしょう。
<おはしょりが乱れたら>
立ったり座ったりしているうちに、おはしょりにだぶつきやしわがでてきた
時には、帯とおはしょりの間に両手の人差し指をはさんで、
真ん中から左右にしごきます。
そして、前のおはしょりを引っ張れば、上前の衿のたるみが伸びます。
伸ばしたおはしょりに手を入れて、下前の衿を引っ張ります。
引っ張った後、衿の端を帯の下線に折りこみます。
そして、出すぎたおはしょりは、きれいに帯下にいれて整えましょう。
最後に、帯のたれをめくって、後ろのおはしょりをひっぱります。
ここでも出すぎたおはしょりは整えることを忘れないようにしてください。
<袂(たもと)から長襦袢がでてきちゃった>
袂のサイズが合っていても、そで幅などが合っていないと、長襦袢が
でてくることがあります。
こんなときは、安全ピンを使って、袂の隅と襦袢を留めておくとよいそうです。
<着物の脇のあたりがだぶついて出てきたら>
腕を動かすと脇のあたりの着物が出てきたり、しわができてしまうことが
あります。
こんなときは、出てきたところを帯の中にぎゅっと入れ込んで、
帯の下から脇の着物を引きます。
<衣紋(えもん)がつまったら>
後ろにぐっと引かれた衣紋の美しさがこわれる=衣紋がつまって、衿が
開いた状態になってしまったら、
お太鼓結びの場合は、たれの下からおはしょりを両手で持って下に引き、
背縫いをもってぐっと引くと、きれいなラインになります。
うしろにしわができてしまったら、脇に寄せて、きれいに整えます。
<帯が落ちてきたら>
帯が下がって伊達締めが見えてしまったら、帯締めをもう一度締め直します。
帯が緩んでできたしわは、帯締めと帯の間に指をはさんで両脇にしごきます。
結びがゆるくて下がってしまう場合には、ハンカチやティッシュなどを、
帯と着物の間に下からはさんで応急処置をします。
<すそが垂れてきたら>
褄はすこしあがったぐらいの形がきれいにみえますが、腰紐が緩かったり、
座っていて立ち上がるときに裾を踏んでしまったりすると、上前の裾が
下がってだらしなくなってしまいます。
こんなときはおはしょりを上げて、腰紐の上から着物を引き上げます。
後ろの裾が垂れてしまったら、やはり後ろのおはしょりの腰紐に挟まっている
方の布を引っ張って調整します。
<帯がゆるんできたら>
帯が下がってきたり、背中と帯の間が空いてしまったら、帯揚げをはずして
もう一度、帯枕の紐をほどいて結びなおします。
この時、お太鼓が下がってきているようなら、上に持ち上げてから結びます。
<お太鼓の形がくずれちゃった>
たれが、どちらかが長くなってしまった場合は、
お太鼓の中の、帯締めではさんだたれに通じている帯を上に上げます。
たれが短いときは、たれのみ、下から引っ張って下げます。
お太鼓の山が曲がっている場合は、後ろに手を回して角度を直し、
お太鼓の下線が曲がっている場合は、帯の中の帯締めに挟んでいる、
お太鼓に通じる部分を持って引きます。
<足が痛くて歩けなくなったら>
鼻緒がきついときは、応急処置で、鼻緒をぎゅっと持って引っ張ると、
少しは広がりますが、履物屋さんで調節してもらうとよいでしょう。
足袋がきつくなってきたら、こはぜを2枚ぐらいはずしておきましょう。
内側におっておけば、そんなに気にはなりません。
<正座で足がしびれたら>
まず、膝に重心をかけて、両方の足のつま先を浮かせ、かかとをあげて、
ぎゅ〜っとそのまま足の裏を伸ばします。
さらに片方の足をうしろにずらして、ゆっくりと立つとよいでしょう。
<きものにしみをつけてしまったら>
食べこぼしてしまったときは、とりあえず応急処置ですね。
ハンカチを一枚後ろに当てておき、もう一枚のハンカチを濡らして
上から生地をつまみ上げて、拭き取ります。
水溶性の軽い汚れならこの方法でもだいじょうぶですが、
泥はねや墨などは、かえって広がってしまいますので、要注意。
泥は乾かしてから払うほうがよいですし、強い汚れは生地の目に入り込んで
取れにくくなってしまうので、なるべく早めに専門の染み抜きに出しましょう。
しみ予防のために、ふだんからなるべく大判で、衿元から膝まで、
長く掛けられる手ぬぐいや膝掛けなどを持っておくように
心がけることが大切ですね。
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2005年11月11日 23:30