着物の一生/大切なストレス
着物の一生
現実的には、布の寿命というものがあるとしても、
キモノというのは、一反の布で、一生をまかなえるもの、という考え方で
できているもの、ということなのです。
白い布で、産着を作り、染め直し、仕立て直して、着物を作る。
最期は、また染めを抜いて、死に装束まで。
驚くほど、いろいろに変化させることができる、一反の布。
着物の構造そのものも、ほとんどが直線的で、
一枚の布からできていることも含めて、本当に素晴らしい文化だと思います。
白い反物を、着物の種類によって、染め分ける、ということも、
私は最近知りました。
私の振袖も、祖母がいい反物を取っておいてくれて、
柄を選んで染めてくれたそうです。
着物の種類によって、柄の入れ方が違うんですね。
今、小紋の反物と、付け下げの反物を撮影しているのですが、
ちょっとみればすぐ分けられるようになりました。
着物って本当に、知れば知るほどどんどん楽しみが増える、
年齢とともに進化できる、本当に素晴らしいものだと思います。
一生をかけて、楽しめますね。
私も、一生をかける仕事にしたいと思っています。
まだどんな形で、というところは模索中ですが、
そんな着物をお届けすることを。
大切なストレス
ちょっとどこか具合が悪くなったりすると、
それはストレスのせい、とか、ストレスを避けましょうなんていうけれど、
大切なものでもあると、思いませんか、ストレスって。
ちょっとムリをかけると成長できるとか、そういう意味もあるけれど、
どうしたらいいかを考える、そんな中でもどうしたら少しでもよくなるだろうと
考える。
それが、知恵を生み出すということになるのでしょうね。
寒い季節は、より暖かく。
暑い季節には涼しく感じる工夫。
春や秋という、移り変わりの季節を、またその時々の自然の美しさを、
しっかりととらえている着物って、本当にステキなものだと思います。
暑いとか寒いとかに、打ちのめされるのではなく(笑)
それを味わい、楽しみ、そして和らげる工夫。
日本人ならではの、繊細さと強さを、
着物を通じて感じていきたいと思います。
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2005年12月10日 10:33