色無地・ぼかし 絞り

色無地の着物というものは、
白生地を好みの色に無地染めしたきものを指します。
色無地は帯しだいで慶弔幾通りにも着こなせる便利な着物です。

色の流れ(たとえば、深みのある赤から墨色へ)が美しい
ぼかしの色無地もあります。

絞り染めは、
布の一部を糸などで括ったり、締めたりして染まらないようにし、
その部分で模様を表す染織方法です。
ふっくらとした量感が魅力の絞り染め。
疋田の総絞りの訪問着なら準礼装になります。

色無地・ぼかしの白生地には
紋綸子(もんりんず)、紋意匠縮緬(もんいしょうちりめん)、
縮緬(ちりめん)などが用いられます。

色無地は色選びが肝心です。
そして、
帯しだいで、慶弔幾通りにも着こなせる便利な着物なのです。


絹の絞りは京絞り、辻が花絞り、
木綿では、有松・鳴海絞りが有名です。
京絞りの代表は、鹿の子絞りです。

総絞りの訪問着や振袖は、
絞った鹿の子で模様を表した贅沢な一枚です。

絹布をほんの少しだけつまみ、先端を残して糸で括り、染めると、
白の斑点ができます。
これが、鹿の背模様の斑点に似ていることから名づけられました。
その重厚な華やかさは息を呑むほどです。
(というか、その手間隙をかけること自体、気が遠くなりそう・・・なくらい!)

辻が花は、室町中期から桃山末期まで行われていた、
描き絵と絞りを併用した染織方法です。
その由来や作者も漠然としていますし、戦国武将の時代以後
絶えてしまった技ですが、今日では作家たちが復元したり、
独自の新しい辻が花を生み出したりしています。

辻が花は、色留袖、訪問着などに見られます。
技法は鹿の子絞り、帽子絞りなどの数多くの絞りを用いて、
花々や桐、矢羽根、檜垣、(ひがき)松皮菱(まつかわびし)などを絞り、
黒で椿、銀杏、蘭、藤、菱などを描き足しています。

絞りで模様を表すことを考えると、本当に手間と技が要求される
ということが、わかりますね!


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2005年11月11日 22:11

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