染(そめ)と織(おり)
着物や帯の基本は、大きく分けて二つになります。
「染」と「織」の二つです。
染(そめ)・・・「染」というのは、白糸のまま織った反物に、さまざまな技法で
模様を染めること。
反物を織った後に染めるので、「後染」とも言います。
振袖、留袖、訪問着、色無地、付下げ、小紋、喪服、ゆかた
などは、染めの着物です。
代表的な技法に、友禅染、絞り染、型紙を使った江戸小紋、
などがあります。
とくに友禅染は、もっともポピュラーで人気の高い染です。
友禅染は、産地によって次のような特徴があります。
●京友禅(京都)
金銀箔をふんだんに使い、手描きの豪華さと気品の高さが魅力。
●加賀友禅(金沢)
加賀五彩(紅、藍、黄土、草、古代紫)を中心とした
繊細で上品な絵模様やぼかし染めが特徴。
●江戸友禅(東京)
多色染めにして単彩、同系色の濃淡で、深みを出したシンプルさ
が特徴。
織(おり)・・・「織」というのは糸のうちに染めてから織り上げる事。
織る前に染めるので、「先染め」とも言われます。
縞や格子、絣などの模様は代表的。真綿、くず繭、玉繭
(かいこが一つの繭(まゆ)に二匹入っているもの)で、
まゆが大きくて、糸が太い)から、手つむぎされた糸で織った
紬(つむぎ)、縮(ちぢみ)、ウールなどがあります。
また今では、なかなかみられなくなった銘仙(めいせん)などは、
織の着物です。
<染めと織りの格>
一般的に着物は、染めの着物のほうが、織りの着物よりも、
格が高いとされています。逆に帯は、織りのほうが染めより格が
高くなります。
加賀友禅と大島紬の場合、たとえ大島紬のほうが値段が高くても、
格としては加賀友禅のほうが高いということになります。
<染と織の組み合わせ>
着物と帯の組み合わせは、格を合わせることが基本です。
ですから、格の高い染のきものには格の高い織の帯、
織の着物には染めの帯が原則です。
ただし、染と染の組み合わせ、織と織の組み合わせも
決して間違いではありません。
染と織の組み合わせ方で、様々な雰囲気が楽しめますので、
着ていく場所に合わせて楽しんでください。
・染の着物+織の帯=改まった雰囲気、正装の基本。
・染の着物+染の帯=柔らかい雰囲気
・織の着物+染の帯=カジュアルの基本
・織の着物+織の帯=極めて趣味性の高いきこなし
〜参考引用文献「着物・帯 くみあわせ事典」〜
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2005年11月12日 22:31